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監督:フランク・ダラボン
■「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」と素晴らしい作品を発表し続けているフランク・ダラボンの作品。赤狩りのアメリカを背景に、記憶喪失になった脚本家(ジム・キャリー)が、流れ着いた町で映画館の跡取り息子(故人)に間違われ、住民と映画館と町を再生していくストーリー。前二作ほどドラマティックに盛り上がる作品ではないものの、細かいエピソードと演出でほんのりと感動させてくれる。「ショーシャンク」「グリーンマイル」同様にこの作品もかなりの長尺(二時間半)なのだが、最後まできっちりとストーリーを追ってみせてくれる。 ■最初に述べたとおり、この作品は「記憶喪失」の話である。にもかかわらず「記憶喪失」そのものを取り上げることなく、テーマに着目して物語を描いていることが特徴。「記憶喪失」の話となると、主人公の素性を描くことなく町に流れ着いたところから話を始めて、ミステリー調にも主人公が出生について苦悩するドラマ調の作品にも仕立てられる。しかし「マジェスティック」では「記憶喪失」という要素を物語の設定の一つにとどめ、テーマを語ることに主眼が置かれていて、その試みは成功していると思う。 (『目が覚めると記憶がない。にもかかわらず皆が俺を知っている。FBIは俺のことを観察しているし・・。いったい俺はどこの誰なんだ!』なんて作品は観たくないよ、飽きた。こういうのに限ってスタイリッシュな映像でホラー調なんだよな。笑)。 ■この作品のテーマ、それは人々の再生である。主人公をはじめとする登場人物たちは皆、喪失感を抱えている。恋人、息子、戦争にいったきり帰らない多くの若者、夢、仕事、そういった様々な人生にとって、人にとって大切なものを失った人ばかり。そうした登場人物たちが、偶然街に流れ着いた主人公と、廃業していた映画館「マジェスティック」を再建すると共に、自らを再生していく。その過程を丁寧なストーリーテリングと演出で見せる、正統派の人間ドラマとなっている。加えて、そうした人々の再生のドラマが、主人公の、赤狩りに走る国家との戦いとリンクしていく構成が実に見事で、二時間半という長尺作品であることを感じさせない。「ショーシャンク~」を超えているとは言えないが十分に見る価値のある作品。フランク・ダラボンは綺麗な画を作れる人だと発見した一作でもある。以上(03012004) ■追記:「マジェスティック」の欠点というか難点について/「マジェスティック」は前半部の描写(主人公が記憶を失う前の描写、主人公の素性や記憶を失う原因となった事故を描いている)をどうとるかで、作品の評価が分かれると思う。なぜならフランク・ダラボンの丁寧な演出と相まって,ほぼ正確に最後までのストーリーを推測できてしまうからである(※特に主人公が記憶を取り戻すきっかけのシークエンスなどは誰もが予想できてしまう)。ストーリーを予測しながら見ることは、映画をみる楽しみの一つであることは間違いないのだが、残念ながらそういう種の楽しみをこの作品から得ることは出来ない。そういう意味では退屈な作品と捉える人もいるかもしれない。しかしながら、この前半部があるからこそ、登場人物の再生というテーマに絞れているともいえるので、難しいところではある。私は先述したとおり、「細かいエピソードと演出でほんのりと感動させてくれた」ので満足したが。 # by parttime_killer | 2007-09-02 11:16 | 映画ま行
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